襖(ふすま)・障子の張り替え、交換なら名古屋のふすま屋ベンテンドーへ
ふすまの裾に染め紙を貼るだけでも、色合いによっては小粋にもなり、侘びたたたずまいにもなります。
また、汚れやすい引き手まわりに、長方形の染め紙を貼る「引き手さわり」もよく見受けられます。
このように、一枚のふすまに、色や質感の違う和紙を貼り分けることを「細工貼り」とか「貼りまぜ」と呼びます。
単純な手法ですが、空間に与える影響は計りしれません。それだけに、素材となる和紙の色数や表情の豊富さがデザインの幅を広げます。
ことに同系色の濃淡の配色などは、落ち着いた雰囲気を醸し出します。
さらに和紙の肌合いの表情を組み合わせると、大変個性的な貼り分けのデザインをつくることができます。ここでは、さまざまな配色のレイアウトを収録し、染め紙の効果的な使い方を提案いたします。
何枚ものふすまに連続した絵模様を描くようになったのは、安土・桃山のころからと言われています。それは、壮観な城郭建築のもたらしたものかもしれませんが、当時の画家にとっては、破天荒な作品作りの場であったことでしょう。
今日でも間仕切りなどには、四枚立てのふすまはよく見かけられますが、ふすまの模様は、同一のものが四枚並んだ構成がほとんどです。インテリア素材として、四枚のふすまは十分な大きさを満たしていますが、そこにつながりのあるデザインを与えることで、その空間に与える影響はさらに大きくなります。大胆なデザインでも、穏やかな配色にすると飽きのこないものになりますし、単純なレイアウトでも色使いによっては、個性的な意匠にもなります。
その他デザイン
概ね、引き手より下の部分に模様があるものを言います。
裾模様の丈はさまざまで特別の規則はありませんが、狭い部屋では1尺(30cm)程度の低い丈の裾模様が空間を広く見せるようです。
既製品のふすまの裾模様は二尺(60cm)未満のものがほとんどですが、引き手より高いものなども個性的な印象を与えます。
その他デザイン
帯模様は文字のとおり帯のように貼る模様です。主に引き手を中心とした帯幅7寸(21cm)の紺色や茶色の帯で、引き手帯とも呼ばれます。
帯模様は単純なだけに収まりやすく使いやすいかたちです。配色のコントラストや帯幅や高さを変えることでさまざまなバリエーションを楽しむことができます。
その他デザイン
引き手の部分に縦に細工貼りしますので、引き手さわりの一種ともいえます。
左右両端に佇むような風情の、品のある小粋なものが良くみかけられます。
染め色の違いだけでなく、雲母摺り染めなどを貼ることも一興です。
ふすまが四枚立ての袖模様は、中央の二枚の袖が連続するため、染め色によっては強い印象を与えることがあります。染め色を周囲になじむように優しくするか、中央の二枚は袖貼りを止めて左右両端の袖模様だけにすることもあります。
その他デザイン
手ざわりの汚れを防ぐことを目的とした大変実用なデザインなのですが、現代の生活空間ではモダンな意匠に生まれ変わるかもしれません。
ほんの少しの部分だけに、思い切り高価な和紙を貼ることもできます。
また、黒漆呂色磨きの丸引き手に、緋退色(ひざめいろ)の長方形の染め紙貼りなどと、引き手と和紙のコーディネートを楽しむこともできます。
その他デザイン
桂離宮・松琴亭一ノ間の市松模様のふすまは代表的な細工貼りの作例です。
そのモダンで大胆な配色や構成は、桂離宮の中でもひときわ目を引く存在です。
また、一寸角(3cm)の小さな市松模様は、整然とした美しさがあります。
木版の雲母摺りなどで、好みの摺り色を指定して制作してみてはいかがでしょうか。
その他デザイン
幾つもの帯模様を積み重ねたような意匠の例です。
直線の模様を生かした配色で端然としたデザインにしたり、紙を喰い裂き裁ちして紙の境目の線を柔らかくみせたりもできます。
このような模様は、大広間のような大きな空間でも、連続した縞模様として均整のとれた表現になります。
その他デザイン
デザインの自由度からすれば、細工貼りにかなうものはありません。
キャンバスに絵を描くように、白地のふすまに自在に筆を走らせることができるからです。
ただし、和紙は上質なものほど濡らした時の伸縮性が高く、片面だけに和紙を貼ると、厚い板でも乾くときの縮む力で反ることがあります。
このため、複雑なデザインの細工貼りには、反りやねじれを防止するため、表具職人との打ち合わせが肝要になります。
その他デザイン