日本は、世界でも珍しいほど複雑な気象条件を持つ国です。四季がはっきりしており、気温や湿度の変化が激しいため、快適な住環境を維持することが重要です。そんな日本の気候において、襖は大いに役立ちます。 襖は、空気や温度、湿度を適度に調整して室内に取り入れ、自然に内と外の環境をコントロールします。襖の紙の繊維には優れた調湿作用があります。湿度が高くなると空気を通しにくくし、乾燥しているときには湿気を保持してくれます。特に押し入れなどでこの効果が顕著で、収納物を湿気から守ります。 また、襖の内部には空気層があり、これが優れた断熱性（保湿性）を提供します。冬の寒さや夏の暑さを和らげ、室内の温度を一定に保つ役割を果たします。この断熱効果は、省エネにも繋がります。 このように、紙の特徴を最大限に活かした襖は、自然で多機能なエアコンのような存在です。襖一枚で快適な住環境を維持することができるため、日本の気候風土に非常に適した建具と言えるでしょう。